今回はとにかく1曲使ってみよう!とのことで、歌も含めてのレコーディングについてです。ただし、自分の曲となりますので、少々特殊な方法となるかもしれません。なのでユーラシア大陸よりも大きく、太平洋よりも広く、エベレストより高く、マリアナ海溝より深い気持ちで読んでください。
今から作る曲はハード・ロックのブレイクビーツに入るのでしょうか?
数年前、自分がハードロックバンドを結成しようとギター、ベース、キーボードは集めましたがドラマーが見つかりませんでした。その時にスタジオでサンプリングCDを流しながらジャムってた時に作った曲となります。
と言う訳で行ってみましょう。
サンプリングCD
現在はサンプリング音源に関してはCDのような物理メディアで販売されることはほぼなく、ダウンロードやサブスクが主流になっています。ただし今記事でのドラムトラックの部分はサンプリングCDで作成していますが、ダウンロードやサブスクでもDTMでの作業行程は同じとなります。
今回使用したサンプリングCDは『NEO GROOVE NEO BREAK BEATS』です。ここで何でハードロックバンドの曲でブレイクビーツなんだよ、と突っ込まれるかもしれませんが、ヘヴィ・メタルなのにリミックスアルバムを出しているホワイト・ゾンビなんかをイメージしてくれるとありがたいです。
BPMは150の「King Henry The 8th’s Christmas Dinner」と「1st State To Make Christmas A Leagal Holiday」のサンプル音源を使っています。
King Henry The 8th’s Christmas Dinner
1st State To Make Christmas A Leagal Holiday
何やら随分と雰囲気の違う音源となりますが、まとまった楽曲になるので安心してください、はいてませんよ。まずはサンプリングCDをApple Musicに読み込ませます。
プロジェクト&トラック制作
次にLogic Proで新規プロジェクトを作成します。新規プロジェクトは最初に新規トラックとして、「マイクまたはライン」を選び「オーディオ」トラックを作成します。この時に新規プロジェクトに名前も付けてしまいましょう。この新規プロジェクトには「JET」と名付けました。
オーディオファイルの読み込み
ではメニューバーの「ファイル」から「読み込む」→「オーディオファイル…」を選択し、今回Apple Musicに取り込んだサンプリングCDをトラックに読み込ませます。
下記画像がサンプリングCDを読み込んだオーディオファイルのトラックとなります。BPMは150なのでテンポディスプレイのBPMを150に変更し、曲はEマイナーになるのでコードもEminに変更しています。
一見これでサンプリングCDの読み込みが完成したように思われますが、ここで一回メトロノームのクリック音を鳴らしながらプロジェクトを聴いてみましょう。
取り込んだままVer.
お聞きの通りクリック音と音楽の始まる箇所、いわゆる「頭出し」ができておりません。この後にギター、ベース、ボーカルetc.と録音をしなければならないので、クリックと音楽が合っていないと他楽器の録音作業で非常に手間が掛かってしまうのです。
ではサンプリングした音楽の頭出し、クリック音の開始場所と合わせるかというと、これが非常にアナログな方法になるのですが、周波数を見ながら自分で不要部分をカットすることになります。
方法はサンプリングCD部分のオーディオトラック部分のリージョンをダブルクリックします。するとオーディオの周波数の波形が出てきます。その波形を横に拡大します。
波形を横に拡大するボタンはワークスペースの右下に表示されている「横方向に拡大/縮小スライダ」を使います。
そしてリージョンを分割するハサミツールを使い、音の開始位置の前を切り分け、無音部分を削除するのです。最後に残ったリージョンを曲先頭の位置までドラッグすればクリック音との同期ができます。
では頭出しを行ったVer.を聞いてみましょう。
修正Ver.
お聞きの通りクリック音と同期した頭出しができてますね。あとはクリック音を消すだけです。サンプリングフレーズを、このように頭出しのために各パートで切り貼りをしながら、曲をのベーストラックを完成させていきます。
楽曲が若干ボヤッとした雰囲気にも思えますが、ミックス等は楽曲が完成してから行います。
では、次回はベースギターの録音をしたいと思います。DAWソフトのベース音源ではなく、自分が演奏するベースギターです。
なお、今回の曲ではサンプリングCD以外の音は全て自分で演奏し、Spin 2も回す予定となっています。


つづく