皆さんご機嫌よう、タカミックスです。
今回はアメリカを代表するスーパーグループであるクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングについてです。
それでは行ってみまShow!
目次
有名グループ?
タカミックスが好きなグループの一つにクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング、通称CSN&Yがあります。ロック・グループにカテゴライズされていますがアコースティックとコーラスサウンドを基本としたグループです。
このCSN&Yとは、元バーズのデヴィッド・クロスビーと元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、そしてホリーズのグラハム・ナッシュで結成されたスーパーグループ、『クロスビー、スティルス&ナッシュ(CS&N)』が始まりです。
このCS&Nの時点ですら凄いグループなのに、更に元バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングが加入します。そしてCSN&Yとして1970年発売のアルバム『デジャ・ヴ』にて爆発的なヒットを収め知名度・商業面でも頂点を極めました。
バーズ
1960年代から1970年代前半のフォークロックのジャンルでアメリカを代表するバンド。
フォークミュージックの温かな雰囲気と、ロックンロールのリズム感と豊かなハーモニーを融合させた独特のサウンドが持ち味である。
1991年ロックの殿堂入り。
バッファロー・スプリングフィールド
メンバー同士の際立った演奏能力、メンバー同士の際立った我の強さ、それぞれが打つかり合いながらも奇跡的に良質の作品を数々残していったアメリカのロックバンド。
商業的な成功は収められなかったが、バンド解散後のメンバー達は1970年台の音楽シーンを引っ張るミュージシャンとなる。
1997年ロックの殿堂入り。
ホリーズ
イギリスのロックバンドである。1966年に発売された『バス・ストップ』がアメリカでヒットする。
後にビートルズに代表されるアメリカに影響を与えたブリティッシュ・インヴェイジョンのアーティストの1組である。
2010年ロックの殿堂入り。
しかし不思議とCSN&Yは日本での知名度が低い。当時のアメリカを代表するバンドの主要メンバーで結成されたスーパーグループであるにも拘らずです。
当然アメリカではCSN&Yの作品は大ヒットを記録しています。
レッド・ツェッペリンがマネをした?
世界で1~2位を争う著名度を誇るハード・ロックバンドのレッド・ツェッペリンですが、彼らの出したアルバム『レッド・ツェッペリンⅢ』はアルバムの大半がアコースティック曲です。
これは当時アコースティック曲が多いのはCSN&Yに影響されたから、と言う噂が実しやかに囁かれました。これ実際は違うんですけど、そんな噂が出るほどCSN&Yの人気が高かったと言うことです。
レッド・ツェッペリンⅢ
レッド・ツェッペリンのアルバム『レッド・ツェッペリンⅢ』はメインソングライターであるジミー・ペイジと作詞をするロバート・プラントの二人はハードロックバンドのイメージが付くのを非常に嫌っていた。
なのでバンドの休暇を利用し、田舎のコテージでペイジ&プラントの二人は互いに好きなトラッドソングやカントリーロックをイメージして曲を書き上げた。
出来上がった曲は当然「ズギャーン、ドコドコドコ! ウギャ〜!」なんてハードロックにはならず、アコースティックな曲が多く出来上がった。
それらを収めて作られたアルバムが『レッド・ツェッペリンⅢ』なのでアコースティック曲が多かったのは当然の理由なのである。
自由への値
CSN&Yはコーラスグループであると同時にアコースティックギターでのアンサンブルサウンドも売りにしています。そのどちらの魅力も発揮されている曲と言えば『自由への値 Find the Cost of Freedom』ではないでしょうか?
この曲は42秒あたりで不自然にピッキングの「カツッ!」ってギター弦へのアタック音が入るんですよね。最初はミスレコーディングなのかな? と思っていたんですが、ライブ盤とかでも普通に「カツッ!」とアタック音を鳴らしてますので意図的に出している様です。
短い曲ですが最後はアカペラパートで締め、圧巻のサウンドを聴かせてくれます。
実はこの曲、オリジナルアルバムの収録曲ではないんです。当時シングルカットされた『OHIO』のB面曲だったのです(今の子にB面と言って通じるのだろうか? カップリング曲のことです)。現在入手するなら1974年に発売されたベスト盤『ソー・ファー 華麗なる栄光の道』に収録されています。
『ソー・ファー』こぼれ話
1970年に一度は解散しているCSN&Yですが、1974年に再結成をしてツアーを行っていました。その再結成ツアー中にレコード会社はベスト盤の企画を持ち出します。
しかしCSN&Yが発売したアルバムは『デジャ・ヴ』の一枚のみ! ニール・ヤングが加入する前のCS&Nも1枚しかアルバムを出しておりません。
CSN&YのメンバーはCS&Nを含めても持ち曲はアルバム2枚で22曲しかないのにベスト盤とはこれ如何に? とベスト盤発売には反対しておりました。そんなメンバーの反対なぞ何処吹く風でレコード会社はベスト盤『ソー・ファー – 華麗なる栄光の道』を発売します。
発売されたベスト盤はメンバーの心配をよそに、あれよあれよと売り上げを伸ばしゴールドディスクを獲得したのでした。
オープンチューニング
CSN&Yの魅力の一つにオープンチューニングによるギター演奏があるでしょう。
オープンチューニングとは開放弦の時点でコード音のチューニングがされています。ポジションを押弦せずに弾いただけでコードが鳴り響くので開放弦の美しさが際立つチューニング方法です。ブルースギターで代表されるスライド奏法には打って付けのチューニングとなります。ノーマルチューニングと違いバレーするだけでコードチェンジができます。
このオープンチューニングを使いCSN&Yは素晴らしいギターアンサンブルを聴かせてくれます。あまり重要視されている気がしないのですが、和音の構成音がギターの様に物理的に一度に出せる音が6音しかない楽器では然りげ無く重要です。ギターはピアノとは違い(調律とか言わないでね)演奏者が行うチューニングで様々な音を出せます。なのでオープンチューニングで演奏する時にコード構成音を決める3度音を抜いたりして無国籍な響きのコード音も演奏できるのです。
デジャ・ヴの一曲目である『キャリー・オン』もオープンチューニングで、E♭B♭E♭E♭B♭E♭(DADDADチューニングの半音上げ)のオープンE♭チューニングとなります。
ただCSN&Y(レコーディング時はCS&N)でオープンチューニングと言えば『組曲:青い目のジュディ』ではないでしょうか? 青い目のジュディもE♭B♭E♭E♭B♭E♭のオープンE♭チューニングですが同じオープンチューニングでもキャリー・オンとでは曲の雰囲気が全然違います。
Suite: Judy Blue Eyes
『組曲:青い目のジュディ』の原題は『Suite: Judy Blue Eyes』です。このSuiteは音楽用語で『組曲』の意味ですが、原題だと少し含みを持たせた意味なんですよね。作詞作曲はCS&Nのメンバーであるスティーブン・スティルスです。この曲はスティーブン・スティルスが別れてしまった恋人であったジュディ・コリンズへ向けての歌だったのです。
このジュディ・コリンズで画像検索するとソッコー目に付くのが正にジュディ・コリンズの青い目なんですよね。そんなジュディ・コリンズへの思いの丈をぶつけた曲にSuite=組曲と付けたのですが、このSuiteはSweet=甘いとのダブル・ミーニングなのです。
この曲のレコーディング情報は不確かなのですが、マルチプレイヤーでもあるスティーブン・スティルスが全部演奏したんじゃないか? と言われてます。ベース演奏がスティーブン・スティルスであるのは確定した情報です。
スティーブン・スティルスについてメンバーであるグラハム・ナッシュとデビット・クロスビーは「彼は明確なイメージがあるので好きにやらせている」と声を揃えて言っております。そのことからも彼一人でレコーディングしたと言うのも頷ける話ではあります。
オープンチューニングって楽なの?
若干語弊がありますがオープンチューニングはソコソコ楽に演奏できます。何故なら指一本のみでのバレーコードだけで演奏できるからです。
また組曲:青い目のジュディも押弦に関しても(バレーコードだけではないですが)特別難しいポジショニングはありません。
あとプレイヤー的な観点だとオープンチューニングでの演奏って、ギターが上手くなった錯覚に落ち入ります(笑)。俺は特別な演奏方法知ってんだぜ? 的な自己満足感に浸れます(笑)。
CSN&YとD-45
CSN&Yとギターと言えば矢張りマーチンのD-45は外せませんね。
D-45はとにかくマーチン社のフラッグシップモデルであり音色は勿論、価格の方も音色に見合う素晴らしさ! お茶の水の楽器店では額縁に入れて飾ってあり「購入を前提としたお客様だけ試奏して下さい」と但し書きがされてる程のギターです。
CSN&YのメンバーそれぞれがD-45を所有しており、アルバム『4 WAY STREET』ではグラハム・ナッシュ以外のメンバーがD-45を持ってジャケットに写っております。
タカミックスも色々なメーカーのギターを弾いたり試奏したりしていますが、マーチンのギターだけは憧れが強過ぎて試奏したことないんですよね。ギブソンだったらJ-160Eを持っていた時がありました。価格だけ見ればマーチンも似た価格のギターはあるんですが「マーチンのギターを試奏したら指の脂が指板についちゃう!」とか乙女みたいな心情で店頭に飾ってあるのを眺めているだけです。
集合離散を繰り返すCSN&Y
CSN&Yではスティーブン・スティルスとニール・ヤングはバッファロー・スプリングフィールド時代から仲が悪かったそうです。しかしCS&Nにニール・ヤングを誘ったのは仲が悪いはずのスティーブン・スティルスらしいです。
CSN&Yは結局スティーブン・スティルスとニール・ヤングの対立が原因で1970年に一度解散してしまいますが(じゃぁ、誘うなよ… と言いたい)解散後も集合離散を繰り返しております。
2016年にニール・ヤング抜きでのCS&Nとしての活動は終了しています。
しかし2017年時にニール・ヤングが「CSN&Yの再結成はあったら驚くだろうね。僕はスティーブンやグラハムは好きだけど、クロスビーは嫌いだから」と何故か嫌いの矛先がスティーブン・スティルスからデビット・クロスビーに変わっています。
まとめ
そんな個人個人の性格には一癖も二癖もあるCSN&Yですが、グループとしては素晴らしいギターアンサンブルとハーモニーを聴かせてくれます。是非御一聴を!
おしまい