皆さん、ご機嫌よう! タカミックスです、今回は紆余曲折の末にメンバーが決定した第三期ディープ・パープルのアルバム『紫の炎』についてです。
この記事を読めば実は『紫の炎』って純然なハードロックアルバムではなかった? とか、少し意外な海外でのハードロックバンドのシングル盤売上事情も分かりますよ。
それでは行ってみまShow!
目次
よく聴けば分かる、このアルバムって…
さて満を持して発売された第三期ディープ・パープルのアルバム『紫の炎』です。アルバムのオープニングナンバーはアルバムタイトルでもある「紫の炎」から始まります。
まぁ、一曲目からそれドラムソロか? と思うような凄い手数のドラミングを噛ますイアン・ペイス。そしてファンキーな歌い手、グレン・ヒューズ。リッチー・ブラックモアもジョン・ロードも素晴らしいプレイを聴かせてくれます。そして何より新ボーカルのディヴィット・カヴァデール! 素晴らしいディープ・ボイスを聴かせてくれます。
この一曲目の紫の炎に打ちのめされたリスナーは、手放しでアルバム『紫の炎』を傑作のハードロックアルバムだと褒め称えます。
しかし、です。
『紫の炎』が素晴らしいアルバムであることには違いありません。それでもハードロックバンドのアルバムと考えると純粋なハードロックってオープニングナンバーのみじゃね? と思ってしまうのです。
オープニングナンバー紫の炎、リフ盗作疑惑
オープニングナンバーである「紫の炎」ですが、実はリフがジョージ・ガーシュインの『魅惑のリズム』をパクってないか? と言われています。
グレン・ヒューズもリッチー・ブラックモアが『魅惑のリズム』をパクッていると言ってます。
ただしリッチー・ブラックモア本人は明確にバロック音楽やバッハの曲からコード進行を拝借しているが、魅惑のリズムはパクってないと否定しています。
バッハのコード進行と言ってるのは、おそらく『トッカータとフーガ ニ短調』のコード進行を指すと思われます。
主な楽曲紹介
それでは若干の蛇足を含め、主な楽曲の紹介をしたいと思います。
紫の炎 ~ シングル盤も含めての話
アルバム『紫の炎』からシングルカットされた楽曲「紫の炎」はヒットしました。えぇ、ヒットしたんですよ… 日本では!
このシングルカットされた紫の炎なのですが日本ではチャート4位に食い込みました。
しかし、ディープ・パープルの母国イギリスではシングルカットはされた物のA面曲は『テイク・ユア・ライフ』で、紫の炎はB面だったのです。そしてテイク・ユア・ライフのイギリスでの最高チャート順位は45位でした。
また、アメリカでは日本と同じくシングルカットはされていますが、発売されたシングル盤はテイク・ユア・ライフの方が先です。
そしてアメリカでのシングル盤紫の炎はジョン・ロードのキーボドソロが全カットされたエディットVer.で発売されております。そんなアメリカ盤エディットVer.紫の炎はチャート順位は105位と散々な結果となっております。
テイク・ユア・ライフ ~ シングル盤も含めての話
アルバムの2曲目はイギリスとアメリカでシングルカットされた『テイク・ユア・ライフ』で意外と黒っぽい曲です。
蛇足 ~ コロナリアス・レディッグ
アメリカ盤「テイク・ユア・ライフ」のB面はインストロメンタル曲である「コロナリアス・レディッグ」となっています。アルバム紫の炎では未収録曲となりますがベスト盤等で聴くことができます。
アルバム未収録曲となったのは2曲もインストは要らないと判断されたからでしょうか?
海外のヒット曲って?
全米のヒットチャートって実は速い曲って流行らないんですよね(この辺はイギリスも日本も同じだとは思うが…)。アメリカに限って言えばディープ・パープルのトップテン入りしたヒットシングルは「ハッシュ」と「スモーク・オン・ザ・ウオーター」の2曲のみです。
どちらもミディアム・テンポの曲です。
矢張り歌い易い、もしくは口ずさみ易い曲が流行るんでしょうか?(もっとも当時はカラオケなんぞない時代ですがね)
ユー・フール・ノー・ワン
このアルバム紫の炎では全編に渡ってデヴィット・カヴァデールとグレン・ヒューズの黒人音楽的なファンク&ソウルな主張が見られます。
その中でも特にグレン・ヒューズの主張が強く出たと言われている楽曲が『ユー・フール・ノー・ワン』です。
非常に黒っぽいファンキーな曲です。
そんなファンキーなグレン・ヒューズをベース&ボーカルとして入れときながら、リッチー・ブラックモアってファンキーミュージックが嫌いらしいんですね。理由は自身がプレイするギターの魅力が薄まるからだそうです。
しかし、この時のリッチー・ブラックモアは間奏部でのブレイク等でノビノビ演奏してる様に聴こえます。
意外と好きな曲、ホワッツ・ゴーイング・オン・ヒア
タカミックスは意外とホワッツ・ゴーイング・オン・ヒアが好きです。勝手な想像ですが、なんか楽しそうに歌ってんな、と。
表現がおかしいですけど、牧歌的に感じるんですよね。いや、歌詞も曲調も全然牧歌的じゃないんですけどね。
ミストゥリーテッド
そして後年、リッチー・ブラックモアもデヴィット・カヴァデールもグレン・ヒューズも長年演奏し続けた『ミストゥリーテッド』があります。
リッチー・ブラックモアの主張
以前よりディープ・パープルを今まで以上にブルースをフューチャリングしたバンドにしたいと願っていたリッチー・ブラックモアが「ミストゥーリテッドはギターのためにある曲だ!」と言いきってます。
リッチー・ブラックモアはライブで延々とブルースフィーリング溢れる前奏やギターソロを弾きまくっております。なのでミストゥーリテッドは結構な演奏時間が掛かる曲となっております。
デヴィット・カヴァデールの主張
かたやソウルフルなボーカルを遺憾なく発揮するデヴィット・カヴァデールは「ミストゥーリテッドはボーカルのためにある曲だ!」と言いきってます。
この曲は「彼女と別れて寂しいんだぜ、ベイビー」とデヴィット・カヴァデールが渾身の思いで詩を書き上げたました。なのでデヴィット・カヴァデールは半端ない入れ込みで歌ってるんですよね。
2人のとっての重要曲
このミストゥーリテッドはリッチー・ブラックモアとデヴィット・カヴァデールがディープ・パープル脱退後に作ったバンドであるレインボーやホワイトスネイクにおけるライブで非常に重要な位置付けで演奏されています。
ギタリストのくせにギターに興味のないタカミックスには、ミストゥーリテッドはボーカルのためにある曲だよな、と思ってしまいます。
“A” 200
アルバムのラストは『”A” 200』というインストロメンタル曲で締められております。この曲がインストロメンタル曲なので、実質的にはミストゥーリテッドがアルバムのラスト曲みたいになっています。
特筆すべきなのは、この曲でジョン・ロードがシンセサイザーを弾いていることですかね? 少しディープ・パープルらしくないというか、ハモンドオルガンがシンセサイザーに変わっただけでバンドカラーが変わってしまうものなのだなぁ、と思う曲です。
まとめ
アルバム『紫の炎』はリッチー・ブラックモアをして「数少ない納得して制作できたアルバムだ」と言わしめるほどです。
今思えばイアン・ギラン在籍時の第二期ディープ・パープルのファンを取り込むためにオープニングナンバーをスピードチューンである「紫の炎」にしたのかなと思わなくもありません。
アルバム『紫の炎』ってオープニングナンバーを除くと結構黒っぽい楽曲が並びますんでね。
何にせよ第三期ディープ・パープル至高の傑作『紫の炎』気になった方は是非ご一聴を!
おしまい