皆さんご機嫌よう! タカミックスです。
今回はユーライア・ヒープが1971年に発売した3枚目のアルバム『Look at Yourself(対自核)』と楽曲『対自核』についての紹介です。
それでは行ってみまShow!
目次
対自核
まず、『対自核』ってアルバム名なんですが、今日日(きょうび)洋楽アルバム名を日本語訳で、しかも気を衒った(てらった)アルバムタイトルにはネーミングした人のセンスを尊敬します。
本来のアムバム名は『Look at Yourself』なので日本語訳だと“自分を見る”ですからね。
とか言っときながら、邦題はサルトルの実存主義からウンタラカンタラ…
ソレは置いといて、この手のタイトルだとオジー・オズボーンの1986年発売の『Shot in the Dark』の邦題『暗闇にドッキリ!』とか有名ですかね?
ま、『暗闇にドッキリ!』は1964年の映画『A Shot in the Dark:暗闇でドッキリ』のパクリですがね!
コーラスグループ
さて、オジー・オズボーンすら知らなかった頃のタカミックスが何故ユーライア・ヒープを、それも日本ではあまり知名度がないバンドを知っていたかです。
タカミックスはアコースティックギターも弾いていましたんで、サイモン&ガーファンクルやCSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)とかに興味があったんです。
サイモン&ガーファンクル、CSN&Yは楽曲と同時にコーラスを売りにしていたグループでした。
なので、コーラスに非常に興味のあったタカミックスは、ハードロックでもコーラスを取るバンドの代表であったユーライア・ヒープを知っていたのでした。
マイナーバンド?
イギリスのハードロックバンドであるユーライア・ヒープですが、日本におけるハードロックバンドの二大巨頭はレッド・ツェッペリンとディープ・パープルです。
ヘビィ・メタルだとブラック・サバスがありますが、サバスが今みたく日本で有名になったのは1990年頃から(一般的に、という意味ね)です。
そんなサバスを入れた三大バンドと比べるとユーライア・ヒープって何だよ? と言われそうですが、イギリスではレッド・ツェッペリンやディープ・パープルと並び称される有名なバンドなんです。
しかし日本での知名度がイマイチ低い!
聴き用によっちゃプログレッシブ・ロックっぽいバンドでもありますね…
これはプログレ好きには思いっきり否定されますが、あくまで音楽を流し聴きする程度のライトな層にはプログレっぽく聞こえていたと言う話です。
なので、ユーライア・ヒープのデビュー時、日本ではハードロックバンドと言うより一般的にはプログレっぽいバンドにカテゴライズされていた時期もあったそうです。
ただし当時の人気は日本の方が上だった?
日本での知名度が低いと書きましたが、それはツェッペリンやパープルに比べての話です。
まるで日本でユーライア・ヒープが売れなかったみたいな書き方をしてましたが、この対自核は日本のオリコンチャートで5位にまで食い込んだそうです。
では、本国エゲレスではどうだったかと言うと、この対自核、チャートの最高位が39位だったとか。
あれ? エゲレスでも有名バンドだったんじゃないの? 人気と売り上げが繋がらないバンドだったのか?
実は邦題が良かった説
対自核が日本で売れた理由は多々あるんですが、実は邦題が良かったから説もあります。冒頭でチラッと記しましたが、もしこのアルバムが原題の『Look at Yourself』だけだったら果たしてヒットしていただろうか? と言う考え方です。
時代が違うのでタカミックスには判断しかねますが、当時のレコード購買層であった若者の背伸びしたい心に「対自核」と言うタイトルが突き刺さったのでは? との考方です。
だって日常会話で「対自核」なんて言葉使いませんよね?
どうもネーミングした人は『Look at Yourself』ではインパクトに欠けるので、それに変わる名前を… と考えて邦題を『対自核』とネーミングした。
当時のレコードの購買層であった若者達、1971年は学生運動が終わって間もない頃です。当時の若者達は思想や哲学にかぶれており、思想家や哲学者の名前を口にすれば女の子にもモテたそうです。
その中でも有名だったのがジャン・ポール・サルトルで、どうもサルトルが著作『存在と無』の中で出て来る『対自』をネーミングした人が『Look at Yourself』の邦題に置き換えた。
そして『Look at Yourself』とは「自分自身を見ろ」=自覚である。そして対自と自覚で『対自覚』とネーミングしたが、それでも字面にインパクトが足りない。
そこで自覚の覚の字を核(この場合は地球の中心部のことね)と当て字をして『対自核』となったのではないでしょうか?
話が脱線しましたが、少なくともユーライア・ヒープはこの対自核まではビック・イン・ジャパンのバンドだったのです。このあとのアルバムからエゲレスでも日本よりヒットする様になるんですよね。
ハモンドオルガン
で、このユーライア・ヒープのアルバム名『対自核』の楽曲『対自核』(ややこしい!)なんですが、ハードなオルガンから始まる曲です。
まず、ハードロック=ハードなギターリフみたいなイメージがありますが、オルガンから始まるので初っ端から視聴者の期待を裏切ってくれます。
現在も活動しているユーライア・ヒープですがオリジナルメンバーはギターのミック・ボックスだけです。
そんなミック・ボックスのギターですが、楽曲『対自核』では言っちゃ悪いが途中までギターらしいギターが聞こえてこない! 当然楽曲の始まりからギターを弾いているんですが、ケン・ヘズレーのハモンドオルガンがガンガン主張しているんでギターもオルガンっぽく聞こえてしまうのです。
もっとも、当時のユーライア・ヒープはケン・ヘズレーがメイン・ソングライターでした。なのでキーボードがメインの理由が分かる気がしますね。
当時はギターの演奏技術が高くなかった
楽曲『対自核』のサビでは重厚なコーラスが響き渡ります。
そしてソロに入るとようやくギターが聞こえるんですが、これがギターソロなのか間奏なのか分からない! 速弾きがある訳でもなくギターフレーズと言うより伴奏的なギターソロを聞かせてくれます。
ギターソロが伴奏的な理由は実はミック・ボックス、ギターが得意じゃなかった!
なので、ユーライア・ヒープはバンドの売りをテクニックではなく、コーラスを重視したと言われています。
小咄〜レコードジャケットについて
現在の様に配信やCDで『Look at Yourself(対自核)』のジャケット真ん中にある四角の中は模様が書いてあったり背景と同じ色だったりします。
これレコードジャケットでは銀紙仕様で反射する鏡の様になってたんです。
なので、レコードを買った人はアルバムを手にした時に否応なしに自分の顔を見ることになり、まさにアルバム名通り『Look at Yourself』となったのです。
しかし、レコード文化が廃れCDに移行した際、CDジャケットは小さいので鏡仕様は廃止し、模様か背景色である銀色を書き込むこ様になったのです。
まとめ
何にせよ、ハーモニー・ロック界最上のアルバムと言われるユーライア・ヒープの『対自核』、一度はお聴きしてみては?
おしまい