皆さん、ご機嫌よう! タカミックスです。今回はあの有名な『罪と罰』についてです。そう、言わずと知れたドストエフスキーの…
罪と罰 / ドストエフスキー
違う、違う! 今回は1986年に発売されたオジー・オズボーン4作目のアルバムとなる『THE ULTIMATE SIN』邦題『罪と罰』についてです。
罪と罰 / オジー・オズボーン
それでは行ってみまShow!
目次
究極の罪
『罪と罰』って邦題はドストエフスキーから取ったんだろうなぁ… だって『THE ULTIMATE SIN』の訳は『究極の罪』だからね…
と、先ずはツッコミからでした。
レコーディングメンバー
さて、このアルバムでギタリストはジェイク・E・リーのままですが、リズム隊はベースがフィル・スーザン、ドラムはランディ・カスティロに変更されております。
って言うか、オジーのアルバムでレコーディングメンバーが同じだったのって最初の2枚だけなんですよね。もっとも初期の2枚はオジー自身はソロではなくバンドの心算であったので当たり前なのですが…
パート | メンバー名 |
---|---|
ボーカル | オジー・オズボーン |
ギター | ジェイク・E・リー |
ベース | フィル・スーザン |
ドラム | ランディ・カスティロ |
オジーの作曲方法
オジーの作曲方法って基本的にオジーの鼻歌をバンドメンバーが曲にしてるんですね(オジーはブルースハープ以外の楽器ができない)。
ランディ・ローズしかり、ボブ・デイズリーしかり(この人の性格なのか自分が作曲に携わっていたことは余り言わない)、ジェイク・E・リーしかり、オジーの鼻歌に伴奏をつけ、そこからバンドアレンジして行くのです。
しかし、作曲のクレジットに関しては当初はオジー・オズボーン表記のみであったらしく、散々ジェイクが文句を言ったので『罪と罰』からは作曲に携わったメンバーがクレジットされる様になりました。
罪と罰での作曲者クレジット
『罪と罰』中の曲は一曲を除きオジー・オズボーン&ジェイク・E・リー&ボブ・デイズリーとなっております。
唯一ジェイク・E・リー&ボブ・デイズリーが作曲に携わっていない曲が『罪と罰』の中からシングルカットされた『暗闇にドッキリ!』なのです。
と言いつつ、実は作曲に携わっていないオジー
『暗闇にドッキリ!』の作曲はオジー・オズボーン&フィル・スーザンの共作とされています。しかし実は作曲にオジーは携わっておりません。
この曲はフィル・スーザンが以前在籍していたバンド『ワイルドライフ』用に作られていた曲でした。
しかし、ワイルドライフは解散してしまったので、フィル・スーザンは既に出来上がっていた曲をオジーに提供し、提供された曲の歌詞の方をオジーが書き直したそうです。
なので作曲者にオジーもクレジットされていますが、実際はフィル・スーザンのみが作曲した物なのです。
そして権利関係問題へ…
こんな感じで当時のオジーのシングル曲の中では1番のヒットを飛ばした『暗闇にドッキリ!』ですが、後に問題が生じます。
この『暗闇にドッキリ!』の作曲権利をフィル・スーザンが(と言うよりワイルドライフのメンバーであったオーバーランド兄弟が)、「オジーは作曲に関わっておらへんのに何で共作になっとるんや? おかしいやないけ!」とケチを付けだしました。そして「何でベスト盤とか作る時にワイのとこへ話けぇへんのや? 新たに収録するならワイの作った曲やさかい、作曲印税が入らんとおかしいとちゃうんか?」と文句を言い出し法廷問題へまで進展してしまいました。
すると当然オジー… ではなく、極妻であるシャロン・オズボーンが「クソガキがガタガタ文句言うとんじゃあらへんで! あんたの曲なんぞ情けで入っとるだけや! あんなナヨナヨした曲なくともオジーは少しも痛くも痒くもあらへんで、ボケ!」と、何とオジーのライブからも『暗闇にドッキリ』を外してしまいました。
…しかし、シャロンは色んなとこで問題を起こす人だなぁ… まぁ、それだけオジーのことを商品としてもアーティストとしても大事にしてるからなんだろうけど…
リミックスから外されていた理由は?
さて、オジーは2002年にそれまで出したスタジオ版ソロアルバムのリマスターを出しましたが(リズムトラック差し替え問題、ここでも問題を起こすシャロン・オズボーン)、ライブ版を抜かすと『罪と罰』だけがリミックスされませんでした。
『罪と罰』がリミックスから外されていた理由は、フィル・スーザンの権利関係や作曲に名前を載せてきたジェイクが嫌だったからとか言われてます。
当然それもあるのでしょうが、実はオジーも色んなとこで発言してるんですけど『罪と罰』の制作時のプロデューサーが嫌だったことが最大の理由なのではないでしょうか?
プロデューサーはロン・ネヴィソン
この『罪と罰』でのプロデューサーはロン・ネヴィソンです。彼はヒットメーカーであると同時に強面の風貌と相成って強引な手腕でも有名なプロデューサーでもあります。
この『罪と罰』の発売前年にあたる1985年にはハートのアルバムである『ハート』をプロデュースしおります。なおアルバム『ハート』は見事に全米1位のチャートを獲得しております。
ハート / ハート
ロン・ネヴィソンはプロデュースした作品はヒットするのですが、反面プレイヤーからは非常に嫌がられることでも有名です。
有名なところだと1981年にMSG(マジソン・スクエア・ガーデン マイケル・シェンカー・グループ)が『神話』をレコーディング時にドラマーであったコージー・パウエルがロン・ネヴィソンの音作りを痛烈に批判していました(この人くらいだな、良い意味で誰にでも文句言える人って)。
そんなロン・ネヴィソンは『罪と罰』でもサウンドメイキングは元より、オジーが行っていたダブルトラック(一人ユニゾンのこと)でのボーカルレコーディングをシングルトラックに削ったそうです。最初からシングル・トラックでレコーディングしていた訳ではなく、オジーはダブルトラックだと思っていたものがシングルトラックにされていたそうです。
作品自体はヒット
兎にも角にも作成に対しては不満タラタラだったオジーのアルバム『罪と罰』ですが、L.A.メタルブームにもあやかり当時のオジー作品の中では1番のヒット作となりました。
確かにこの頃のオジーバンドは華やかです。煌びやか、と言った方が正確ですかね?
実際に『罪と罰』はポップ化したとか言われてますが、全然ポップじゃないですよ?
何で世間は耳に残るメロディーを指してポップ化したって言うんですかね? この理屈で言ったらベートーベンの『運命』なんて究極のポップソングになってしまいますよね?
強いて言うならジェイクのギターでのサウンドワークが正にL.A.メタルって感じで世間から受けたのかもしれません。例えばシングル盤『暗闇にドッキリ!』ですとザック・ワイルドが弾くヴァージョンだと思いっきりヘヴィ・チューンになってます(まぁ、これはザックのギターがレスポールだからだろうけど…)。
まとめ
オジー本人からは嫌われている『罪と罰』ですが、意外と良い曲が多いです。個人的にはタイトルチューンである『罪と罰』は今でも良く聴きます。
そんなオジー自身は嫌っている『罪と罰』ですが、気になった方は是非御一聴を!
おしまい